2015年12月31日木曜日

森のようちえんが紡ぐ「森・ひと・建物」

身体の何倍もある板をかついで山を登る森のだんごむしの子どもたち。



一見すると「児童労働」ですが(笑)、子どもたちは、なんだか楽しそうなんです。。

それにしても山の中に板を運んで一体何がはじまるのでしょうか?

原因は、木造建築コースのプロジェクト「自力建築」の第一回目の作品としてアカデミーの一期生たちが10年以上も前に演習林の中に建てた森の中の小さな小屋「森の中の四寸傘(よんすんがさ)」。

この四寸傘、よくもこんな山の上まで人力で全ての資材を運んだよな〜って感心するような山の中に建てられた木造建築なんですが、アカデミーの演習林や周辺で毎日活動している森のようちえん「森のだんごむし」がはじまってから7年間、ず〜っと使わせていただきた建物なんです。子どもたちもこの場所がだ〜い好き!


実は、アカデミーの演習林の中で最も活気のある場所でもあります。

その四寸傘のデッキが、シロアリ&アリ&水に負け始めてきはじめました。

そこで急遽、修繕作業がはじまりました。

まずは、エンジニア科の学生さんたちが辻先生(建築)と一緒に森のようちえんの子どもたちが見ている中、土台をチェック&修繕してくれました。

そして富田さん(前教授)が製材棟で丸太からデッキ用の板を製材してくれました。

更にキャンプに遊びにきた小学生たちと一緒に土台やデッキの板にオイルを塗りました。

そして最後にその板を森のようちえん「森のだんごむし」の子どもたちがお世話になってる小屋のデッキの板を山の上まで、2日に渡ってあの小さな身体で運んでくれました。


大人でもただ歩くだけでもヒ〜ヒ〜言っちゃうような山道を、冬なのに汗だくになりながら大きな板を抱えて、休み休み、でもとっても楽しそうに運んでました。

作業と遊び、暮らしと遊び、
子どもたちの間には、境目なんてないんでしょうね。

おかげでなんとかデッキ部分の修繕が無事完了。
ふりかえるとこの四寸傘のデッキ、子ども、学生から大人まで、たくさんの人の手が
かかって修繕することができました。

「14年前、学生達が建てる」
「7年間、森のようちえんの子どもたちが学生の建てた建物を日々使う」
「デッキ部分の修繕が必要になってきたことを感じ始める」
「それをアカデミーの学生がチェックし、授業で修繕する」
「修繕する学生とプロセスを森のようちえんの子どもたちが見ている」
「林業の学生が演習林から木を伐り出す」
「富田さんが製材する」
「小学生たちが一緒にオイルを塗る」
「森のようちえんの子どもたちが木を運ぶ」
「みんなで修繕する」


子どもたちがきっかけとなり
「森と人」「建物と人」「建物と森」「人と人」がつながり、つむがれていきます。

そして彼らの中にも一本の木と普段使っている建物とがしっかりとつながりました。

こんなことがすべて学内で起きているアカデミー、
ちょっと他にはない、とってもユニークな学校だと思いませんか?

あ、まだ入試間に合いますよ!エブリデイオープンンキャンパスもやってますので是非!
(詳しくは森林文化アカデミーのHPご覧下さい)


何はともあれ、ず〜っと気になっていたデッキの修繕も終わり、これでなんとか安心してよい年を迎えられそうです。

と思いきや、
なんと修繕の必要な別の箇所を発見!。。。新年からの活動となりそうです。。。

みなさん良いお年を!

自然体験活動指導者
インタープリター養成コース
なんちゃてせんせい
萩原ナバ裕作