2015年12月1日火曜日

岐阜の山村文化に学ぶ 第二回(白鳥町石徹白編)実施しました。

オープンカレッジ 岐阜の山村文化に学ぶ 第二回(白鳥町石徹白編)実施しました。

春の春日編に続き、第二回は秋の石徹白編でした。

美濃市にあるアカデミーからバスで2時間弱、目的地に到着しました。
さすがに紅葉も終わりかけでしたが、よく晴れていたので、見晴らしが素晴らしいところでした。

ナビゲーターは、石徹白に移住して、現在建設中の地域運営による水力発電の導入や、地域活性の中心人物として、ご夫妻でご活躍中のHさんをお願いしました。



Hさんの奥様が開かれた石徹白洋品店のギャラリーで、麻布で織られた昔の仕事着について説明をしていただきました。奥様はその無駄のない仕立て方や素材の良さを現代風にデザインして復活させる試みをされています。




洋品店の隣に、建設中の工房です。 染め、織りなどの体験、ワークショップができるそうです。
石徹白に立っていた古民家の古材を再利用しています。建て方にもこだわりがあり、杣大工と呼ばれる伝統工法でくみ上げられています。
柱や梁の材面に手斧やハビロ(金太郎さんが持っている斧)ではつった跡が残っています。


小水力発電施設を見学しました。まずは、オーソドックスな車輪型の水車です。
特産品加工施設の電力をまかなっているそうです。




続いて、農業用水の再利用ということでらせん型の水車発電です。
こちらの電気は、隣接する住宅1棟分の電力をまかなっていました。



最後に、本格的な発電所を見学しました。この発電所の他にもう一つ建設中の水力発電所があり、そちらは石徹白の全戸が参加した組合が出資し、経営するのだそうです。Hさんの見通しによると、今後はその売電によって、地域は長期間安定した収入が得られるだろうとのことです。このところ、山間地域では、過疎高齢化や限界集落、野生動物被害のつらい話しか聞こえなくなっている中で、この試みは、地域の未来を照らすまぶしい光を放っていました。素晴らしいことだと思います。




お昼の食事は、地域の女性方が運営されている「くくり姫カフェ」で、地域素材をふんだんに使って、きれいに盛り付けられたランチをいただきました。
日曜日ということもあって、お客様も多く、たいへんにぎわっていました。

その席で、地域おこし協力隊の女性お二人から、地域での取り組みについて、いろいろなお話を伺うことができました。 



午後は、上在所の石徹白家を訪ねました。
奥様から、今も守り続けている神事について、また、御師を勤めておられたおじいさまの時代に起こった神仏分離令による混乱やご苦労された話を聞くことができました。 このお宅の2階には、立派な神様の間が二つ並んでおり、いわゆる神様とご先祖様を明確にわけてまつっていました。歴史的にも貴重な構造とのことで、市の文化財指定を受けていました。
この方は、石徹白の語り部のお一人としてご活躍中です。


最後に、石徹白地域成立の出発点である、白山中居神社に参詣し、毎月の祭事に参列させていただきました。


拝殿に上がり、神主様による祝詞奏上、玉串奉天、なおらいまで参加させていただきました。
とても貴重な機会をいただき一同感動していました。



以上報告  原島幹典
この講座では、一般参加の方に加え、アカデミーの学生が授業の一環として一緒に活動するスタイルを取っていますので、バスの移動時間中にも、いろいろな会話が交わされていました。
まさに都市山村交流づくしの一日でした。

          以上報告   原島幹典