2015年9月18日金曜日

積雪地帯の森林施業を考えた一日

 クリエーター科林業1年生の授業『多様な森林施業』で、豪雪地帯・多雪地帯の森林施業を考えるために、飛騨市の森林を見学に行きました。

 既に座学でしっかりと学んではいますが、美濃市辺りにいたのでは雪国の森林や林業はわかりません。実物を見なければ理解できるわけがない、ということで実施した見学です。


 広葉樹が混交するスギ人工林です。スギ人工林としては「不成績造林地」ですが、景観的には優れた針広混交林と言えなくもない森林です。しかし、そのスギは・・・


 スギには、当然のことながら根元曲がりがあります。通直そうに見える幹も、そばに行って確認すると曲がりがあります。いわゆるS字曲がりと呼ばれる曲がりです。


 ホオノキやクリなどの高木性広葉樹が混交するスギ人工林です。場所によっては、広葉樹林と言ってもよい部分もあります。


 スギが成林しているところも、その幹形は残念ながら「良好」とはいえません。

 現地でも少し議論しましたが、積雪地帯では、今後どのような林業を展開するのがよいのか、既に存在する形質不良木が多いスギ人工林をどのように扱うのか、積雪が問題にならない地域では考えられない課題に取り組まなければなりません。このとき強みになる可能性があるのが、豊富に存在する広葉樹の活用です。



(おまけ)

 行きがけに道の駅「飛騨古川いぶし」に休憩がてら寄り、そこで販売されている広葉樹の板材を見学しました。飛騨で生産された広葉樹材です。


 途中で、カツラの純林も見ていきました。面積は小さいですが、かつての洪水の後に一斉に更新したという天然生林です。


 お弁当は池ヶ原湿原で食べました。もちろん、周辺の森林の観察も少ししました。湿原の乾燥化(植生遷移の方向)とそれを妨げるための取り組みについても考えました。