2015年9月7日月曜日

エンジニア科1年生 野外宿泊実習で、自然の美しさと人との関わりについて感じ、学んできました。

毎年9月初旬に1泊2日で実施されるエンジニア科1年生エンジニア科1年生の野外宿泊実習。今年は9月3日、4日の2日間、岐阜県恵那市の笠置山と中津川市付知の樹齢400年の木曽ヒノキ備林へ行ってきました。

当初予定していた登山は乙女渓谷だったのですが、連日の雨の影響で当日朝笠置山へ変更することになりました。

笠置山は標高1127mで登山道もきれいに整備された登りやすい山です。また岩が多いこともありロッククライミングエリアもあります。また植物では、ヒトツバタゴ(ナンジャモンジャ)やヒカリゴケの自生地でもあります。

マイクロバスに荷物と一緒に押し込まれ2時間ほどのドライブの末、笠置山の中腹あたりまで登ってきました。まずは、大岩展望で見晴らしの良い景色を眺めでリラックスします。

 

その後、登山開始。玉木先生の植物・樹木レクチャーを受けながら、頂上を目指します。とはいっても、山頂までは距離としては短く、道も整備されていたこともあり、難なく登ることができました。20歳前後の学生らには物足りなかったかもしれませんね。



頂上では、立派なお社があり、屋根は見事な檜皮葺でした。関わる人々の自然に対する敬意がこういうところに現れますね。美しい。

山頂付近では、ヒカリゴケが自生しているということで、岩場を上り下りして見に行きました。



ヒカリゴケ。確かに光ってます。

さて、この日は、昼から雨の予報だったため、休憩を挟んで雨が降り出す前に下山する必要がありました。30分ほどお昼休憩をして、下山開始です。

帰りは登り始めた地点よりも下まで降りることにしました。途中、クロモジの枝を噛みながら口元を爽やかに保ち、自生しているヒトツバタゴ(ナンジャモンジャ )を見て、無事下山。バスに乗り込んだちょうどその時、雨がザーザーと降り始めました。

この日、宿泊でお世話になったのは、東白川の「こもれびの館」。合宿所としては、とてもいいところでした。夕飯前は、恒例の(?!)樹木同定実習です。チームに分かれて与えられた葉っぱが何の木か図鑑をみながら当てていきます。みんな真剣になって探していきます。意外と熱が入って盛り上がるのが面白いです。



 さて2日目です。2日目は付知の木曽ヒノキ備林の見学です。かつては出の小路神宮備林として扱われ、伊勢神宮式年遷宮の御用材や文化財などの建築物修復などに木材を提供してきた森です。



まずは、東濃森林管理署へ出向き、間島署長より、森林管理署の役割や仕事内容について教えていただきました。

その後、さっそく木曽ヒノキ備林へ案内していただきます。案内人は森林文化アカデミーの前身である林業短大のOBです。


江戸初期に名古屋城などの城郭再建のため木材が多く切られたため、尾張藩が保護政策をとり、伐採をきつく制限します。特にヒノキ・サワラ・アスナロ・ネズコ・コウヤマキは木曽五木と呼ばれ「木一本、首一つ」といわれるほど厳しい「留山制度」がとられ伐採が禁止されました。そのため、天然更新によって針葉樹の森が形成され、この森では400年生の天然ヒノキをみることができます。

酷似しているサワラとヒノキの違いを見分ける方法を教えてもらいます。


途中で遭遇したニホンカモシカ

ヒノキ・サワラの合体木
普段見る森とは姿が全然違い圧倒されるほどの巨木があちこちに。しかも天然更新というところが特徴的ですね。400年生ヒノキの枝振りの豪快さが印象的です。

美林橋にて昼食



 
昼食後は、第62回式年遷宮の御神木伐採地の見学です。

伐倒時はこの崖のような山腹に足場を組んで、100人近い人が参列、見守る中伐倒が行われたそうです。
そもそもこの御神木は 内宮外宮用の2本が必要ですが、とても生育場所や長さ、直径など厳しい条件をクリアし、さらに倒したときに「人」という字になるような位置関係の木を選木しなければ いけないそうで、その木を見つけ出すところからとても大変だそうです。

第62回式年遷宮の内宮の御神木として伐採されたヒノキ。ツルを3本残す三ッ緒伐り。
2代目大ヒノキ、ヒノキサワラの合体木、第62回式年遷宮の伐採跡地など見どころ満載の木曽ヒノキ備林。普段相手をする人口林との違い、学生たちは何を感じたでしょうか。


以上、エンジニア科1年生 の野外宿泊実習でした。