2015年7月28日火曜日

山県市で実習、幻の「桑の木豆」とは?


山村づくり講座の専門科目「地域生活実習」では、山県市で幻の伝統野菜といわれている「桑の木豆」栽培の見学と管理のお手伝いをしてきました。

案内をしてくださったのは、現在山県市高富地区で洋食レストランを経営されており、幅広い人脈を背景に地域活性活動に関わられている石神秀樹さんです。

 



山県市北部(旧美山町)では、かつて養蚕の盛んだった頃カイコの飼料用としてたくさんの桑畑がありました。その後養蚕は衰退し桑畑の多くは改植されましたが、その名残は今も各所に残っています。
 
石神さんは、料理人としての視点からも「桑の木豆」を高く評価されていて、桑畑が残っているからこそ栽培できる「桑の木豆」を地域の伝統産業としてアピールできないものかと、ご実家の農業を手伝いながら、あれこれアイデアを練り、「桑の木豆」の栽培継承と普及活動を続けておられます。
また、石神さんのお父様とおば様は、ご高齢ながら、桑の木豆栽培を継承されている数少ない現役農家なのです。この日の授業では、お二人から専門的かつ丁寧なご指導をいただきました。

 

 

 

桑の木豆の栽培方法ですが、まず初めに桑の木の根元に肥料を撒き、土と混ぜ合わせます

 

 

 

地面に直径1センチ深さ5センチほどの穴を掘り、そこに桑の木豆を2〜3粒ほど播きます。

 

 

 

上から土をかぶせ、ポンポンと軽く手で押さえて終了です。

 


 

学生仲間からは、「おまじない?」という意見も出ましたが、「ここは豆を播いてあるよ」、という作業の重複を避けるためのサインになるということ。なるほど。

 

「桑の木豆」は発芽後ツルが桑の木に巻き付いて成長するので、適度な日照環境を確保するために、桑の木の枝葉の剪定作業もおこないました。 

「桑の木豆」は、桑畑に植えた方が高品質の豆になるということ。
桑の木と桑の木豆には、不思議な共生関係があるのかもしれませんね。


午後からは、桑畑を離れて、柿野地区の畑へ。


 

午前中教えてもらった要領で豆を播き、ネットをかぶせて本日の作業は終了です。






今日は、午前中は桑畑、午後からは普通の畑で、「桑の木豆」を播いてきました。

石神さんによると、桑の木豆は、アクが強く調理しづらい豆ですが、ジャガイモみたいにホクホクした食感が好まれていて、ご当地食材としてずっと以前から栽培されいるのだそうです。

養蚕の衰退とともに、桑も需要低下、次々に地域から桑畑が消えてゆく中、桑の木、そして桑の木豆を、「地域の宝物」として栽培し続けておられる石神さんのお父様、おばさま、また、「桑の木豆アイス」や、「桑の木菓子パン」など、新商品の開発を進めている若い世代。時代のバトンを渡し続けている取組みに、感銘を受けました。



 
 
 

山村づくり1年 國枝

                                              投稿者   原島幹典