2015年6月29日月曜日

ビジネスインキュベーション(BI)の先進事例を訪ねて


 「山村活性化事例研究」の1,2年生合同授業で619日、滋賀県大津市の琵琶湖畔にある「コラボしが21インキュベーション」を訪ねました。

 新規事業を立ち上げようとする人たちを支援する「ビジネス・インキュベーション(BI)」の活動や「インキュベーション・マネージャー(IM)」の役割について学ぶのが目的です。山村づくり講座では、農山村の地域資源を活かした起業支援の仕組みづくりを、外部機関と協働して始めており、今回はその基本的イメージを共有する狙いもありました。

 インキュベーションとは、抱卵、孵化、孵卵の意から転じて、起業や創業のための活動を支援することを指します。

 公益社団法人滋賀県産業支援プラザが運営するこの施設の特徴は、半年間入居できる「創業準備オフィス」10室があること。


 24時間出入り自由で、月5,000円余りの格安の入居料に加え、入居者同士が事業の説明や討論をしたり、事業計画の立て方や資金調達の方法などをIMから学んだりする機会が頻繁に設けられているそうです。


 この準備オフィスで「ビジネスとしてやっていけるかどうか」を見極め、「これだったらやっていけそう」という人たちには、3年間入居できる「創業オフィス」13室が用意されています。


 IMの船越英之さんのお話で印象に残っているのは、準備オフィスの入居を経ることで、いきなり創業オフィスに入居するより、「事業を始めても倒れにくい」こと。さらに、さまざまなテーマのビジネスカフェを連日のように開催し、創業の意思があり創業準備オフィスに入居しようとする人たちの発掘に努めてきたことです。



 午後には、同プラザが運営する草津市の「SOHOビジネスオフィス」を訪ねました。いくつかのオフィスをのぞかせていただき、パレスチナと日本の懸け橋になろうと織物を輸入し通信販売している女性や、フリーペーパーを編集している若者たちの熱気に触れることが出来ました。


 入居者同士の交流も盛んに行われているそうで、まわりに同じように産みの苦しみを味わっているライバルがいることが励みになる、というインキュベーション施設の頼もしさを感じながら、帰路につきました。


報告 山村づくり講座2年 井澤 宏明