2014年11月19日水曜日

針広混合でプレミアム感を!今年も始まったものづくり1年のテーブル制作!

さて11月も終盤に差し掛かってきました。毎年この時期は、ものづくり講座の1年生はそれまでの小物製作から大物課題に取り組むようになります。そうです、テーブルの授業に入りました。

2年前から始めたのが、学内で使われるテーブルを制作していくというもの。それが昨年はアカデミー演習林で伐採されたヒノキを使ってのテーブル制作になりました。まさに自産自消。(昨年の制作風景はこちら完成した時の記事はこちら。)

そして、今年のお題は、「学長室の会議用テーブル」です。

これまでのテーブルは普段自分たちが利用するゼミ室のものを作ってきましたが、この度、学長室の会議用テーブルをせっかくなので演習林のヒノキのものに変えたいという要望が上がり、これに取り組むことに。まずは副学長よりさまざまな要件の聞き取りを行いました。写真のように現在は味気ないナラのテーブルです。。。


聞き取ったさまざまな要望を総合的にまとめ、今回は3台のテーブルをつくることに。そして、これまで作ってきたようなオーソドックスなヒノキのテーブルでは学長室に置けるようなものにはならない、ということで、プレミアム感を出すために広葉樹を色のアクセントとして使うというお題を出しました。
話し合った結果、岐阜県を象徴するホオノキ、身近な山桜、ナラといった材を使うことになりました。

その後、設計や木取り表の準備など制作に入る前にやらなければいけないさまざまなことも学生たちが行い、総責任者の棟梁に選ばれた学生が資料としてまとめます。



その準備が整うと、さっそく制作に入ります。非常にきれいなヒノキの板。それを天板、幕板、脚など各部材の寸法に加工していきます。しかし、これまでやってきた小物の制作と違い、大物ではちょっとのねじれ、ちょっとの反りを見落とし、何気なく機械にかけてしまうと取りたい寸法で取れず材料をダメにしてしまうことになります。それは、材料が長ければ長いほど、そのちょっとした反りなどでも加工に大きく影響するからです。今回はそのミスが目立ち、多くの材料を無駄にしてしまいました。





「この木は、ミスされるために何十年も生きてきたんじゃないんだぞ!」
(どこかから声が聞こえてきそうです。。。)

この木材を各パーツの寸法に加工していく「木取り」という作業というのは、木工メーカーなどではベテラン職人が担当する工程です。 1枚1枚違う木の性質を瞬時に見抜き、そして加工する。ビジネスであれば失敗は許されません。そういう仕事ができるようになるには多くの訓練・経験が必要です。今回の失敗経験を必ず今後に生かしてほしいと思っています。

 木工をやる人間は自分よりはるかに長く生きてきた木を材料として使います。そこに敬意を払い、その時の重みを輝きに変える素晴らしい仕事です。そこを感じてほしいなぁ、と思うのです。



さぁ、針葉樹、広葉樹ミックスのテーブル制作。狙った通りの高級感は出せるのか。これから、さらに新しいことを学びながら、初の大物を仕上げていくことになります。