2013年11月26日火曜日

森林組合が駆使する森林GIS

森林GISの使い方


 昨日に引き続き、林業再生講座1年生は森林GISを学びました。

 最初は森林文化アカデミーの情報処理室で岐阜県建設研究センターの県域統合型GISの操作
を体験し、その後にJIRIの教員部屋でGIS概論と、GPSと組み合わせるためのレーザーコンパス
測量について学びました。


 講義終了後は駐車場で、レーザーコンパスによる測量を実施。
学生3人がそれぞれ、レーザーコンパス担当・反射板担当・野帳記入担当に分かれて、3回測量
しました。


 測量が終了したら、データを情報処理室に持ち込み、測量結果を検証します。
手持ちの不安定な状態ながら、全員が1/150以上の精度でした。

 このレーザーコンパスの測量データと起点のGPSデータを合致させれば、GISデータ として図面
上に表示できます。



 午後からは、郡上森林組合に出向き原雅人さんから「森林組合におけるGIS、GPSの活用に
ついて」と題して指導を受けました。

 郡上森林組合のある郡上市総面積の約90%(92,599ha)が森林であり、人工林は
約49,900ha(人工林率53.8%)、郡上森林組合の組合員数は約7,300人、職員総人員110名ほどの
組合です。


 郡上森林組合は平成23年度は2,853ha(間伐2,432ha、下刈り141ha、枝打ち59ha、新植18haなど)
に及ぶ森林整備を実施していましたが、経営計画導入と同時に約800haほどに低下したそうです。

 それまで切り捨て間伐でも良かった森林整備が、利用間伐中心になったためです。

 この時、郡上森林組合ではGISデータが充実していたことで、計画変更が比較的楽にできたそう
です。



 デファレンシャルGPSを利用したり、GISソフトにファルコンやArcGIS、ジッタなどを利用している
現状や、地形によるGPS感度の問題など、森林組合ならではの問題点を教えてもらいました。

 

 郡上市には1,900の林班、約180,000の小班があり、郡上森林組合ではそのほとんどについて
データを入力してあります。
 上の写真は郡上市全体の地図(林小班)が映し出されていますが、黄色い部分は森林所有者の
30~40%しか同意が得られていない。赤い部分は50%以上同意が得られている。

 経営計画では林班の50%以上の同意が必要なので、GIS処理されていれば一目瞭然。


 集約化の段階で、路線沿い片側30m幅で利用間伐した場合の予想収穫量もGISデータがあれ
ば、簡単に示すことができます。

 郡上森林組合では森林所有者立ち会いの下、境界確定する際にGPS測定もするそうですが、
葉のよく茂った時期よりも落葉期の方が精度が高くなるそうです。

 さて、今回も郡上森林組合と原雅人さんには大変お世話になりました。有り難う御座いました。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。