2013年8月7日水曜日

「里山文化を伝える」展示づくりワークショップが始まりました


昨年度からアカデミー授業で関わらせていただいている明宝歴史民俗資料館で。資料館を支える地域の方々と一緒に作った「活用方針」にもとづいて、「分散型展示」を作るためのワークショップが始まりました。

資料館をたんなる資料保存の場所、来館者を迎えて公開する場所にとどまらず、明宝の「里山文化を伝える」活動拠点に生まれ変わらせるべく、その第一弾として、資料ぎっしりで動きがとりづらい資料館本体の中から、テーマ毎に小規模な資料群を取り出して、地区内のいくつかの拠点に分散型展示として展開する試みです。これにより、資料館の利用者数が総体として増えること、資料館を活用する視点が広がることが期待されます。


第1回、7月26日のテーマは「展示テーマを決めよう!」。集まった明宝の住民有志やアカデミー学生など25名に開催趣旨や短いオリエンテーション講義を聞いてもらった後、4グループに分かれました。A,Bチームはアカデミー学生主体、C,Dチームは明宝住民のチームです。各グループで資料館47,000点余りの資料の中から5点ずつ資料を選び、デジカメ写真を撮り寸法を実測しながら、どんなテーマで展示を作るか相談してもらいました。アカデミー学生チームには、資料に詳しい明宝文化財保護協会の重鎮にアドバイザーとして付いていただきました。




発表された仮テーマは、Aチーム「仕事暦」、Bチーム「ノコギリ」、Cチーム「養蚕」、Dチーム「棒と仕事」。このテーマで資料をどんな風に見せるのか、どんな解説や体験を組み合せて、何を伝えるのか、第2回で考えていきます。






第2回、8月6日のテーマは「展示プランを作ろう!」。前回と同じ4チームで、具体的な展示スペースを想定した空間構成や、資料をつなぐストーリーを考えていきます。オリエンテーション講義に続いて、「展示計画書ワークシート」を使って、展示タイトル、展示ストーリー、補助ツール、解説ソフトの展開などを自由に語り合いました。皆けっこう楽しんでいます。


未だ仮タイトルだし、展示プランは今後もっと詰めていくので、今ここでは明かせませんが、明宝の人たち遊び心があっていいです。それに比べるとアカデミー学生チームは真面目だけどやや硬いかな。もっと来館者目線に立って「楽しく学ぶ」ための工夫やひねりが欲しいですね。今後に期待しましょう。



展示づくりワークショップは、11月初めの完成を目指してこれから3ヶ月間、各グループが楽しみながら競い合いながら続いていきます。



記  山村づくり講座 嵯峨創平