2013年8月1日木曜日

森林環境教育は、自分たちが創ったプログラムで互いに学び合います


エンジニア科1年生が前期に行なった「森林環境教育概論」のレポートです。森林や林業のプロを目ざす学生達が、広く森林の公益的機能(生態系サービス)に目を向けながら、それらを「楽しく学ぶ」「楽しく伝える」にはどうしたら良いか。環境教育で使われる体験学習法(ワークショップ)の方法を学びながら、環境教育プログラムを自ら考案して、その実践の中でコツを掴んでもらう授業です。

全7回(金曜日の午前中が1回分)のうち、前半の3回は講師が提供する「アイスブレーク体験」「環境教育プログラム体験」「体験学習法の構造を学ぶ講義」など。その後3人1組でチームを組んで、いよいよ自分達でプログラムを企画・準備・運営する後半戦に入りました。

まずアカデミー演習林を中心として、プログラム素材になる自然資源のフィールド調査とプログラム企画を考えます。講師がプログラム化するためのポイントも助言。次の段階は、実際にプログラムを実施するための準備と練習です。必要なデータを集め、プログラムで使う小道具や素材を揃えたりします。この段階で、実際の持ち時間(30分)を想定したリハーサルも行ないました。講師を相手に3人チームで進行してみると、流れが悪いところ、相手に伝わりにくい表現などが見つかります。その修正指摘も受けます。

最後の2回を使って、いよいよプログラム発表会(3チームずつ2回)。前半の6月21日は梅雨の真っ只中、後半の7月12日は夏に突入した猛暑の日でした。以下、順不同ですが、森林や樹木について「楽しく学ぶこと」を重視した知性派のプログラム群と、自然の中で身体を使って「遊びながら感性を養う」あそび系のプログラム群に分けて紹介していきましょう。


チームA「樹木ビンゴ」自然観察ビンゴを応用した樹木同定ネタのビンゴゲーム。ちょっとアートみたい。



チームF「樹木ってこんなんだよスベシャル~レベル3」黒い袋の中に入った葉っぱを触って10の樹種を当てるゲーム。中にはけっこう難問も。



チームB「葉っぱ同定王決定戦」アカデミー周辺の樹種リストを持って、短時間にできるだけ多くの樹種を見つけてくるゲーム。リスト外の樹種を図鑑で確認できれば高得点も狙える。



チームD「イカダ作り&レース」丈夫なツブラフジの蔓とケヤキの枝を使ってイカダを作って、毛鹿洞川でチーム対抗イカダ流しレース!



チームE「第1回ウラジロ杯」アカデミー演習林に繁茂しているウラジロでヒコーキ飛ばし大会。採点基準は飛距離と美しさ。栄冠は誰の手に!?



チームC「フォレストワーカー~読地図・初級編~」古城山麓の森の中の隠された10ポイントにクイズが仕掛けられている。オリエンテーリング形式で制限時間内に何問クリアできるかを競う。



18名全員がプログラムの企画・準備・運営に参加し、環境教育プログラムの基本を学んだ貴重な30時間でした。事後のアンケートでも、皆けっこう真面目に「将来の林業の仕事にも役立ちそう」と回答していました。


担当 山村づくり講座/エンジニア科1年副担任  嵯峨創平