2013年8月23日金曜日

明宝中学校の「聞き書き」授業4回目~作品化に向けた編集ワークショップ


郡上市立明宝中学校の総合学習の時間で進めてきた「聞き書き」授業も今日で最終回。生徒達が頑張って書き起こした原稿用紙の束が頼もしいです。1人10分で約10枚、聞き書き時間が40分弱だから、1グループにつき40枚の素材が揃ったことになります。

これを今日は、作品化へ向けて「文末の整理」「文章の刈り込み」「小見出し付け」などの個人作業を行い、グループ全員で作品全体の流れを構成し、最後にタイトルを付けます。ちょうど夏の日差しが強く照る下で、向こうの山の緑を背景に向日葵が元気よく咲き誇っています。



前半は「個人編集作業」といって、録音した通りに全てを文字化している原稿を整理していく作業です。間投句や言い間違えを削除し、あいまいな文末を補い、聞き手の問いを文章を語り手さんの一人語りの形に直し、同じ内容の繰り返しや同内容の段落を整理していきます。こうすることで、まるで「問わず語り」のような形で、お年寄りの人生史の語りが浮かび上がってきます。アカデミーの学生も各グループに張り付いて中学生の作業をサポートしました。生徒達はかなり集中して、ちょっと疲れたみたい。




後半は「「グループ編集作業」です。前半の作業が完了していないグループもあったけれど、生徒達の疲れ具合をみて、グループで手を動かせる作業に切り替えました。語り手さんのお話に段落ごとに小見出しを付け、それをハサミで切り取って台紙に貼り付けていきます。この台紙を並べた長~いテーブルを囲んで、お話の流れを読者にも理解しやすいように整理し、さらに段落ごとの文章も刈り込んでいきます。




通常「聞き書き」の作業では、最初の素材原稿から作品原稿まで作業をすると、分量は1/8~1/10になると言われています。今回はそこまで整理できなませんでしたが、夏の暑い環境の中で、中学生かなり粘って作業を完成させてくれました。作品タイトルも『山菜が好きになった理由』、『農業の苦労と農業の・・・』、『野菜づくり~今と昔のちがい』、『どじょうまい』、『やらんことなし』、『ケチャップ一筋二十年』と決まりました!


この後の編集作業から「聞き書き集」小冊子の完成までは、明宝振興事務所とNPOななしんぼの編集者が引き取ってくれます。秋にはきっと素敵な小冊子が出来上がることでしょう。中学生のみんな楽しみに待っていてね。後日、中学校の先生達と反省会を持ちましたが、「今年は手探りで大変だったが、生徒達の表情は意欲的だったし、お年寄りも大変感謝してくださった。」「ぜひ続けましょう。」とのお言葉を戴きました。明宝中学校の「聞き書き」授業;中学校~地域活性化~外部専門機関(森林文化アカデミー)の連携モデルとして、定着・普及していくと良いですね。


記: 山村づくり講座 嵯峨創平