イギリスの「バスケット・フェスティバル(Basketry and Beyond Festival 2013)」より招待を受けて私と卒業生の鬼頭伸一さんが渡英し、鵜籠の実物展示、ミニ鵜籠づくり講座の実施、および竹細工の実演を行います。
そもそものきっかけは2年前にイギリスの木工仲間の勧めで、イギリスの雑誌「Living Woods」に記事を執筆したことでした。長良川鵜飼が1300年の歴史を誇るとされること、しかしその道具である鵜籠は高齢の竹細工職人さんがすべて1人で作っていて後継者がいないこと、森林文化アカデミーがその技術伝承に取り組み始めたことを書きました。
ちょうど、彼女の団体が主催するイベントでは「Fishing Farming Fashion(農業、漁業、衣料)」を2013年のテーマに考えていて、漁業の道具である日本の鵜籠も紹介したいと考えてくれたのです。当初は鵜籠を発送して展示してもらうという話でしたが、エネルギッシュな彼女は2つの日系財団から助成金を取り(大和日英基金とグレイトブリテンササカワ財団)、私たちを招いてくれました。
イベントでは、イギリス、フランス、アメリカなど世界中から籠作家が集まり、講座や実演を行うのですが、なんと私たちもその中に混じり、ミニ鵜籠づくり講座を行うことになりました。しかし私たち自身もまだ練習中の身、あわててミニ鵜籠をいくつも試作したり、リハーサルを兼ねて地元の方を対象に籠作り講座をやってみたり、準備に追われました(今もまだ追われています!)。
このイベントのホームページに、講座を行う作家のリストがあり、私や鬼頭さんの写真が載っています。私たち以外は一流の人ばかり。イギリスでいまやただ1人となった、ナラの生木をへいで籠を編む作家さんも来る予定で、交流できるのを楽しみにしています。
イベントは5月14〜19日。ちょうど鵜飼シーズンが始まる頃、イギリスに渡ります。海の向こうで岐阜県が誇る鵜飼文化を紹介してきます!