2013年4月17日水曜日

長良川鵜飼の鵜籠づくりを、イギリスで紹介してきます!

 森林文化アカデミーの久津輪です。このたび、森林文化アカデミーと卒業生が運営するNPO法人グリーンウッドワーク協会・竹部会が共同で行なっている長良川鵜飼の鵜籠づくりの技術伝承活動を、イギリスで紹介することになりました!

 イギリスの「バスケット・フェスティバル(Basketry and Beyond Festival 2013」より招待を受けて私と卒業生の鬼頭伸一さんが渡英し、鵜籠の実物展示、ミニ鵜籠づくり講座の実施、および竹細工の実演を行います。

 そもそものきっかけは2年前にイギリスの木工仲間の勧めで、イギリスの雑誌「Living Woods」に記事を執筆したことでした。長良川鵜飼が1300年の歴史を誇るとされること、しかしその道具である鵜籠は高齢の竹細工職人さんがすべて1人で作っていて後継者がいないこと、森林文化アカデミーがその技術伝承に取り組み始めたことを書きました。


 この記事を読んで連絡をくれたのが、イギリスのヒラリー・バーンズさんです。彼女は自らヤナギを育て、ヤナギで籠を編む作家で、籠細工の普及や発展のために非営利団体をつくり活動しています。

 ちょうど、彼女の団体が主催するイベントでは「Fishing Farming Fashion(農業、漁業、衣料)」を2013年のテーマに考えていて、漁業の道具である日本の鵜籠も紹介したいと考えてくれたのです。当初は鵜籠を発送して展示してもらうという話でしたが、エネルギッシュな彼女は2つの日系財団から助成金を取り(大和日英基金とグレイトブリテンササカワ財団)、私たちを招いてくれました。

 イベントでは、イギリス、フランス、アメリカなど世界中から籠作家が集まり、講座や実演を行うのですが、なんと私たちもその中に混じり、ミニ鵜籠づくり講座を行うことになりました。しかし私たち自身もまだ練習中の身、あわててミニ鵜籠をいくつも試作したり、リハーサルを兼ねて地元の方を対象に籠作り講座をやってみたり、準備に追われました(今もまだ追われています!)。
 このイベントのホームページに、講座を行う作家のリストがあり、私や鬼頭さんの写真が載っています。私たち以外は一流の人ばかり。イギリスでいまやただ1人となった、ナラの生木をへいで籠を編む作家さんも来る予定で、交流できるのを楽しみにしています。



 イベントは5月14〜19日。ちょうど鵜飼シーズンが始まる頃、イギリスに渡ります。海の向こうで岐阜県が誇る鵜飼文化を紹介してきます!