2013年2月16日土曜日

こんなん咲いてました91


朝には自動車の窓ガラスが凍っているような日でも、日中にちょっと日が差すと暖かく感じるようになってきました。ぽかぽか陽気に誘われて咲いている花もあるのでしょうか?

とはいえ、2月はまだ冬です。この時期に咲いている花は流石に限られています。
特に樹木で2月に花を咲かせているのは、ヤブツバキとサザンカくらい。これはせっかく花をつけても、花粉を運んでくれる昆虫がまだ活動していないため、とされています。ヤブツバキとサザンカは鳥が花粉を媒介してくれるので、寒くても咲いているのですね。哺乳類は恒温動物だけど、虫は変温動物だから寒さに弱いのだなー、人間哺乳類のくせに寒い朝は布団から出られないもんなー。怠けもんだな虫も−。

などと考えながらアカデミーの近所を歩いていると(暇なヤツと思われるかもしれませんが野外で学生相手に追試なので仕事中です)、満開のシナマンサク(中国原産:植栽)に出会いました。一面に咲き誇る黄色い花の下に立っていると、あたりはブンブンというニホンミツバチの羽音でいっぱいです。寒い日が続く中、わずかな陽気をみつけて巣穴から出てきたのでしょう、寸暇を惜しんで蜜や花粉を集めています。怠け者呼ばわりしてごめんなさい。



後ろ脚には花粉だんごもついていますね。花粉を蜜で練ってだんごにしたものです。巣に持ち帰って幼虫の餌にするので、花粉を媒介して欲しい植物にとっては若干迷惑な行為かもしれませんが、すべての花粉が餌になるわけではないのでちゃんと受粉はされるようです。



そういえば今は二十四節気のうち、立春です。寒さも底をつき、これからは少しずつ暖かい日が増える、つまり、今は寒い中まさに春の種が芽生えている時季なんですね。蜜蜂が教えてくれたのどかな光景は、立春にふさわしい小さな春でした。