2013年1月25日金曜日

みのプレーパーク通信 「鳥の死体から生まれた生まれた」



 
「あの。。。今度いつ鳥の羽の標本つくる予定ですか?  うちの子がどうしても見たいと言うんですが、遠方なのでその日に合わせていきたいんですけど。。。。」という電話があった。

各務原から時折プレーパークに来てくれている子のお母さんからだった。実は、その1週前のプレーパーク中、ガラスにぶつかって死んだらしい鳥を拾った。初めて見る鳥の死体に子ども達は興味深々。

 「鳥の名前を知りたい~」というので、これはチャンスと思い、あえてその場で鳥の名前を教えずに、研究室まで走り、鳥の図鑑を数冊持って戻ったプレーパークの時間はとっくに終わり、寒く、暗い中、子ども達は目の前の鳥の死体と図鑑の絵を真剣に見比べながら根気よく調べ、その鳥の名が「ウソ」であることをつきとめた。 


 この時に、「早く帰るわよ」とか「ほらほらこの鳥でしょ」とか子ども達をせかしたり、答えに誘導しようとしたりしないで見守っていてくれたお母さん達に感謝したい

 「綺麗だね~」、「へぇ~、こうなってるんだ~」とじっくりと観察したあと、なっきー(IPコース学生の齋藤なつきさん)が、「こんど羽の標本つくるために預かるね」と言って皆と別れた。その数日後の電話だったその子にとってこの体験が相当印象深かったらしい。 なっきーと相談し、標本づくりの日程を決め、お母さんに告げた。

 そして約束の日、その子はお母さんと一緒に来てくれた。そしてなっきーが鳥の羽を抜いて台紙に貼り付けるのを、その子とお母さんは手伝いながらじっくりと観察していた。内側から湧き出してくるような興味におされてか、たくさんの質問が飛び交った。

 大人たちも子どもたちも、「興味」に対して真剣に向き合ったからこそ生まれた、それはそれはステキ時間でした。これこそが「学び」の生まれかたのかもしれませんね。

 子どもたちの「知りたい」「やりたい」をこれからもこうしてみんなで見守っていきたいですね。

自然体験活動指導者・インタープリター養成コース 講師
ナバこと 萩原裕作