2011年12月24日土曜日

木造建築の総合デザイン設計実習~怒涛の3日間~

��2月19~21日の3日間で行われた「木造建築の総合デザイン実習」
前回ブログで紹介した初日の様子。怒涛の残り2日間もご報告。

現地調査を終え、調査内容から情報を共有。3つのチームに分かれた後は、各チームでの取り組み。初日は各チームでそれぞれの時間で終業。


私の所属するチームBでは、まず最初にお施主様ヒアリングで感じた事や、大切だと思う事を出し合い、何を求めているかを徹底的に話し合いました。

111223-1.jpg

私を含めた4者だけでも同じことを感じていた部分や、感じ方が違った部分があり、それらをどうまとめて行くか、またどの様に表現すれば、より伝わり易く共感を得て貰えるだろうかが焦点。


お施主様の話からは、建物だけでなく広大な周辺敷地(2070m2)についての提案が求められていると認識して、それを突き詰めて考える事が、今回の提案のコアになると共に、コンセプトにも反映されました。

話し合い→プランニング→チーム内プレゼン→意見交換を3回程繰り返し、4者が納得出来る周辺敷地も含めたマスタープランプランが完成。

��日目に、そこに至るまでのスケジュールをたてましたが、実際には大幅な遅れ。2日目の午後になっても方針決まず(汗)3チームの中でもダントツで遅く、逸る気持ちを抑えながら作業を進めます。

余裕のない中での、チームディスカッションとプランニングでしたが、振り返ってみればお互いの意見を相手に伝えながら、プランを練り上げていくこの時間が一番苦しくもあり楽しくもある、今回のデザイン実習の醍醐味だったように感じます。勿論その時は、そんな余裕は有りませんが(笑)


��日目の10時からは今回設計を行うにあたっての参考講義として横井先生より「岐阜県の森林と林業について」、午後1時から、林政部の中通さんより「岐阜県の木材産業」、スタジオ辻先生から「建築環境総合性能評システム(CASBEE)」についてのミニ講義。

111223-2.jpg111223-3.jpg

外部の方も参加されている為、講義内容は聴き覚えのあるものも多くありましたが、分かっていても忘れている事や、コンセプトのヒントが沢山あり、その中からいくつかを設計プランに取り入れました。


とてもハードなスケジュールの3日間。そんな中でも楽しみだったのは、心も身体も温まり、お腹も満たされる美味しい差し入れ。

111223-4.jpg111223-5.jpg

お世話になっている兼定大工さんのご実家から、丹波のおでんと郡上の煮豆。スタジオ同級生の旦那さんであり、ソウルメイトの北ちゃん特製カレー。その他にもテーブルには漬物や加子母の唐味噌が並び、盆と正月とクリスマスが一緒に来た食卓。それらを前にして、迷い箸の多い私(笑)。


食後も作業に励む各チーム。得意の模型に励む、チームAのツッツーの後ろに見える時計の針は3時45分を指してします(もちろん午前)。早朝4時半の4者打合わせには、構造サポートして下さった構造設計の方も出席。

111223-6.jpg111223-7.jpg

小原先生の教え子で、実務に取り組まれている方が構造サポートをして下さった今回の実習。皆さんのおかげで、どのプランも構造的にも現実可能なプランが出来上がりました。


年末の忙しい中でも、真摯に実習のサポートをして下さった皆さん、本当にありがとうございました。

殆どの参加者が不眠不休で行ったプレゼン準備(チームBはみんな代わりばんこで寝ました。中でも私は1時間の約束で家に帰り、3時間後にスタジオに戻るという失態。チームのみんなゴメンナサイ)


午後1時からお施主さんの前でプレゼンスタート。改築・増築・新築が提案され、各チームがメンバーの個性を目一杯に出したプレゼンテーションを展開。

111223-8.jpg

111223-9.jpg

真剣な眼差しで発表に聴き入るお施主様(中央)と、それに負けじと白熱したプレゼンを展開するチームC。既に発表を終えている2チームのメンバーは、フラフラになりながら聴きました(笑)

全てのチームの発表が終わり、お施主様と講師の先生方より労いの言葉と講評を貰いました。この実習ではコンペ形式で、お施主様に気に入ったプランを1つという事で開催されましたが、甲乙つけがたく結果は三者引き分け。

最後に参加者から住まい手さんに、この3日間で感じた事・学んだ事を一言づつコメント。私は3つをお話しさせて頂きました。

��、普段は中々プランニングする事が出来ない、大きな敷地でランドスケープから提案する事が出来た事。

��、予算150万円という非現実的な予算から考え始めた事で、建築だけでなく周囲の施設建設時も含めて、普段では思いつかないようなプランを提案出来た事。

��、チームで設計する事で、自分の中で出来てしまっている発想の限界を越えた設計が出来た事。

本当に身体に堪えたデザイン実習。クタクタに疲れ果てましたが、それ以上に他ではない貴重な経験が出来た3日間でした。

しかし、自力建設といいデザイン実習といい「他には出来ない貴重な体験」程、もう2度としたくはないと思うのだろうか・・・(笑)


加子母っ子  中島 創造(木造建築スタジオ2年)